これならわかる池坊いけばな[1]立華
池坊専永(監)
,伊藤雅夫(著)
/これならわかる池坊いけばな
作品情報
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池坊いけばながひと目でわかる必携の入門書。いけばなの始原である立華は草木を複雑に組み合わせて構成した優れた造形性が特徴である。基本テクニックと一作ごとの解説を、入手しやすい花材を使って紹介。
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商品情報
- シリーズ
- これならわかる池坊いけばな[2]生花
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- これならわかる池坊いけばな
- 書籍発売日
- 1997.10.20
- Reader Store発売日
- 2015.03.10
- ファイルサイズ
- 21.4MB
- ページ数
- 143ページ
- シリーズ情報
- 既刊2巻
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この作品のレビュー
平均 2.0 (1件のレビュー)
-
日本の花の流れを理解する必要があると思って、池坊の入門書を読んで見た。
やはり、池坊の基本は、「立華」だ。これは、日本の独特の型であり、そこから全てが始まっているような気がする。
本書は、「立華は、5…50年あまりむかしに始まった池坊の根幹をなす姿であり、かっては立花(たてはな)と言われていた。立華はいけばなとして理想の姿であり、日本文化の一つとして魅力的な様式である。立華は仏前の供華からはじまった。日本では、古来から自然の中にある草木には神が宿ると尊ばれており、仏様には花を供えることも、ごく自然な行為だった」という。
1460年代、室町時代半ば、六角堂執行池坊専慶が菊をいけたことから始まる。六角堂は生花発祥の地とされる。京都市三条にある紫雲山頂法寺の六角堂は、聖徳太子が如意輪観音を安置するために作った。池坊はその中の坊の一つだった。鎌倉時代には、親鸞が比叡山から六角堂へ100日参りをして、観音のお告げによって悟りを開き、浄土真宗を開いた。池坊の立華は、六角堂の代々の執行が観音信仰のもとに、公家や武士、町の人々の間に広めたもの。
『花王以来の花伝書』(1468年)が立華が成立する様子が書かれている。池坊専応による『専応口伝書』(1542年)は、池坊の精神を表すものとなり、池坊いけばな成立の書となっている。草木の一枝一葉を生かし、草木の自然、出生を生かそうとしている。一般に流布したものに『仙伝抄』がある。『仙伝抄』は、富阿弥が伝え、池坊専慈が相伝したもの。
初代池坊専好は、信長の時代から慶長の頃まで活躍する。秀吉が毛利邸へ招かれた時に、座敷飾りをした。二代目専好は、1615〜1658年の約40年間に、立華を完成した。徳川時代になっていて、後水尾帝の花会に専好が招かれた。その後立華は、脈々と続いている。
家元制を作るためには、ルールがいる。それは言葉が専門用語化される。
立華は、真の用い方で、直真、除真、砂の物があり、それぞれ真、行、草があり、九つの形になる。
伝承の立華の習物7ケ条。昇り胴大遣いの活用、下段大遣いの活用、すすき一葉、大内見越の活用、高請、二枚大葉の活用、谷草の活用。立華19ケ条は、モティーフを的確に表現するという。実に、具体的で細かい。枝の方向さえも決める。ちょっと、読みながら、息がつまりそうである。
技巧を感じさせず、草木の自然を演じると言いながら、植物の形を決めるので、その花材を探すのが大変だと思う。自然とは形が決まっていないものであるが、形にこだわる。それが、商売のタネにもなっている。門下生は、その言葉を覚えないといっていることがわからなくなる。
華道の古典では三木(さんぼく)がマツ、イブキ、ヒノキだった。それは入手が困難であり、草物主体となる。でも時代が大きく変わってきた。池坊の花を飾るとなると掛け軸のかかる床の間がいる。それがなくなった。花も和物から洋物が増えた。それに、池坊が対応せざるを得なくなってきている。現代の立華を活けるためには、モダンさ、風情、シンプル、新しい表現にチャレンジ、狭い空間を生かす、手早く活ける、というようになる。花瓶から立ち上がるところが、ピシッと決まっているのが美しく見え、空間をどう占拠するかなのだね。
まぁ。掲載されている画像を見て、美しくいけているが、説明が難しすぎる。池坊への道は遠いのである。続きを読む投稿日:2021.09.28
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