直感力
羽生善治(著)
/PHP新書
作品情報
生涯通算獲得タイトル数歴代1位、史上最速での1200勝達成、王座を奪取し三冠! 進化を続ける希代の棋士の「直感力」を初めて開陳。「直感」と「読み」と「大局観」。棋士はこの三つを使いこなしながら対局に臨んでいる。そして経験を積むにつれ、比重が高くなり、成熟していくもののひとつが「直感力」であるという。将棋は、ひとつの場面で約八〇通りの可能性がある。それを瞬時に二つ三つに絞り、直感によってひとつの手を選ぶ。直感は、一秒にも満たないような短時間でも、なぜそれを選んでいるのか、きちんと説明できるものだ。直感とは、自分自身が築いたものの中から萌芽するものであると著者はいう。内容例を挙げると、◎「見切る」ことができるか ◎無駄はない ◎底を打つ ◎何も考えずに歩く ◎他力を活かす ◎見極めの制度 ◎道のりを振り返らない等々迷走続ける現代社会に生きる我々に、自分を信じ、突き進む力と勇気を与える一冊。
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商品情報
- シリーズ
- 直感力
- 著者
- 羽生善治
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP新書
- 書籍発売日
- 2012.11.01
- Reader Store発売日
- 2013.06.28
- ファイルサイズ
- 1.8MB
- ページ数
- 216ページ
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この作品のレビュー
平均 3.6 (133件のレビュー)
-
おもしろかった。将棋界に一時代を築いた大名人が、自ら感じて、思った、数々の言葉
直感とはたんなるひらめきではなく、これまでの多くの経験や思考が導き出される一瞬の思考である
気になったのは以下です。
…
■直感とは
・直感は決して先天的なものではない
・ツボを押さえる、といった感覚が自分の中に出現するのを待つことが大事なのではないかと思う
・論理的思考の蓄積が、思考スピードを速め、直感を導いてくれる
・つまり、直感とは、論理的思考が瞬時に行われるようなものだ
・直感とは、本当になにもないところから、湧き出てくるわけではない。
・考えて考えて、あれこれ模索した経験を前提として蓄積させておかねばならない。
・また、経験から直感を導き出す訓練を、日常生活の中でも行う必要がある
・もがき、努力したすべての経験をいわば土壌として、そこからある瞬間、生み出されるものが直感なのだ
・長く考えていればそれだけ思考が深まっていい手が指せるのか、いい決断ができるのかというと、必ずしもそうではないような気がする
・直感を磨くには、多様な価値観を持つことだと思う
■無理をしない
・余白がなければ直感は生まれない
・リラックスした状態で集中してこそ、直感は生まれる
・多分無理だろう、どうせ役に立たないけれど、というくらいの気楽な気持ちでやっていたほうが、たとえ直接的でなくてもヒントになったり、何かのきっかけになったりする
・あえて、考えない、時間を意識的につくることが大切だと思っている。
・それは、いわば頭の中に空白状態をつくることだ
・集中力を高めるには、いくつかのトレニング方法がある。
・ひとつには、前述したなにも考えない時間をもつこと
・もうひとつには、じっくりとひとつのことについて考えをめぐらせる習慣をつくること
・ある一定の時間ひとつのことに集中する
・そして、さらに集中力を高め継続させる方法に、時間と手間のかかる作業に取り組むということがある
・モチベーションが上がらない、やる気が出ないところで集中するのは至難の業だろう
・それでもダメな場合、もしくは、その努力をする気分にもなれないことがある
・そんなときはどうするか、あえて、底を打つ、のもひとつの手だと思う
・義務感やりきみを身にまとわないためには、完璧主義にならない、曖昧さを残すことも案外大切だと思う
■囚われない
・コツがわからないこと、を難しいからと投げ出してしまうのではなく、なぜなのか、と探求していく気持ちが大切なのではないか。
・こどもは、理解できないこと、を自分で深堀していく達人である
■力を借りる
・実力がないのであれば、要は実力をあげればいい
・それには一生懸命努力するしかない
・運にたよっていてはダメだ
・一生懸命頑張って、根本的な地力をつけるしかない
■直感と情報
・完璧とか万全の状態をつくるなど至難の技だということに、当時の私は気が付かなかった
・山ほどある情報から、自分に筆湯な情報を得るには、選ぶ、より、いかに捨てるか、そして、出すか、の方が重要なのである
・当然、覚えていかなければならないこともあるが、それと同時に、忘れることも非常に大事なのではないかと思っている
・情報を、「事実」と、「予測や説として発信されたもの」とに分け、時系列に並べてみることだ
・そうすることによって、大きな流れがつかめるし、ポイントとなる場面も浮き彫りになる。
・無駄な部分も明白になり、全体像がおぼろげながら見えてくるはずだ
■あきらめ
・最終的にあきらめないというのは、たとえ、その1回は、あきらめても、それを次に生かすことだ
・自分の中で見切りをつけて次に備えていくほうが、結局長い目で見た時には、成長につながると知ることだ
・ミスはしないに越したことはないのだろうが、ある意味必然である。
・そのとき大事なのは、ミスの後にミスを重ねないことなのではないか、と思っている
■自然体
・目標は一気に課してはいけない。
・少しずつ積み重ねることによって、気がつけば着実に前進している
・自然にできることを続けていくという健全さが必要なのだ
・想像力とは、まだ起こっていない、しかし、起こるであろう現象を、リアリティをもって受け止める力のことだ
・その想像力を働かせて頭の中に描いた何かを具体的に実現させるアイデア・発想が創造力だ
・創造力はまったくのオリジナルでなければならない、ということはない
・常に真新しいものでなくても、切り口によって違いは出る
・同じテーマでも、他の人とは違う自分なりの切り口をもつことで、生み出されるものは変わってくる
・大事なのは、それらの力を養おうとすることだ
・情熱は、常に何かを探し続けることでも保たれる
・今まで、自分の中になかった何かを発見する、というプロセスを大事にするのだ
■変えるもの、変えられないもの
・進めたい、変えたいとおもっても、大きな流れの中では、変えられないものもある
・どちらに進めばいいかはわからない
・わからなくても、どこかに進むしかないのだ
・自分で調べて自分で考え、自分で責任をもって判断する姿勢をもっていないと、自分の望んでいない場所へ流されていく可能性もある
・その先を読む眼をもつためには、表面的な出来事を見るのではなく、水面下で起きているさまざまな事象を注視することだ
・その時々に適応しながら、少しづつあゆみを変えて、気づいたら、まったく別の場所にいる。
・それは確実な変革の方法だ。
・変革が大事、変化を求めている、といったことが喧伝される
・しかし、いきなり大転換してしまった、たいていはうまくいかない
・時間をかけ、少しづつ、少しづつ歩幅を変えていきながら、たとえば、それが2年、3年という時間を経たときに、ぜんぜん違う形、違うものになっているというのが、一番スムーズでリスクも少ないのではないかと思うのだ
・肝心なのは、それを私たちがどうとらえるかだ
・変えていくべきものと、変えられないと思うものの区別は私の中にはない。
・ただ、そこに取り組むときに、自分の個性、スタイルみたいなものは、どうしてもあらわれてくる。
・どんなに流行していても、いま最先端だといわれても、自分の個性、考え方にそぐわないものであれば、求めようとは思わない
・流行はやがて変わってしまうものでもあるし、そのときに思ったことには何か理由があるわけで、その原因を突き詰めていくほうが将来に対してより有意義ではないか
・実戦を重ねることはもちろんだが、それだけでなく、地道な日々の積み重ねをしない限り、向上することはない
■結論
・何をしたらいいのか、どうなっているのか見えにくい、分からない時代をいきていかねばならない。
・そのときの一つの指針となるのが直感だと考えている
・何かの判断をする、決断をするというときに、目の前の現象だけに囚われることなく、自分自身によりどころを求めることができるのではないだろうか。
・自分自身によりどころを求める その根底には経験を積み重ねることで蓄積され、かたちづくらた人生観や価値観といったものが横たわっているはずだ
・それに基づいた選択がベストでなかったとしても、すくなくとも自分のスタイルにはあっているはずだ。
・だから、次にミスをする可能性も小さいし、ある種の心地よさも内包している
・背伸びをして成長していく方法もあるが、自分の流儀を見つけてそれに合った選択をしていくという覚悟を迫られているきがしてならない
目次
はじめに―直感をどのように活かすか
第1章 直感は、磨くことができる
第2章 無理をしない
第3章 囚われない
第4章 力を借りる
第5章 直感と情報
第6章 あきらめること、あきらめないこと
第7章 自然体の強さ
第8章 変えるもの、変えられないもの
おわりに―直感を信じる力
ISBN:9784569804897
出版社:PHP研究所
判型:新書
ページ数:216ページ
定価:760円(本体)
発行年月日:2012年10月
発売日:2012年11月01日 第1版第1刷
発売日:2015年10月16日 第1版第11刷続きを読む投稿日:2023.12.03
知識や経験を積み重ねた上での直感。
闇雲に思い付きで考えて行動することではない。
経験があるからそ、直感として降りてくるという事なんだろう。投稿日:2023.09.16
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