ポーツマスの旗
吉村昭(著)
/新潮社
作品情報
日本の命運を賭けた日露戦争。旅順攻略、日本海海戦の勝利に沸く国民の期待を肩に、外相・小村寿太郎は全権として、ポーツマス講和会議に臨んだ。ロシア側との緊迫した駆け引きの末の劇的な講和成立。しかし、樺太北部と賠償金の放棄は国民の憤激を呼び、大暴動へと発展する――。近代日本の分水嶺・日露戦争に光をあて交渉妥結に生命を燃焼させた小村寿太郎の姿を浮き彫りにする力作。
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この作品のレビュー
平均 4.4 (54件のレビュー)
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もう一つの日露戦争
思えば世に「戦争」(戦闘)を扱った歴史小説は多い。
本書は日露戦争の講和会議からポーツマス条約について扱った小説で、
「戦争」ではなく「外交」がテーマであると思われる。
が、少しここでクラウゼビッツ…の『戦争論』を思い出してみよう。
ざっと言えば、「戦争は政治的手段とは異なる手段をもって継続される政治にほかならない」
ということである。
ということは、逆に言うと、講和条約というのも、戦闘とは違う手段をもって継続される戦争なのであろう。
日露戦争とは何であったかを決定づける条約。
戦闘に劣らぬ戦いである。
戦いの相手はロシアだけではない。
条約締結の場であるアメリカのマスコミ、そこに対して力を持つユダヤ人・・・
いろいろなことを考えなければならず、読んでいてとてもスリリングである。
そして、衝撃的なのが講和条約締結後、日本で待ち受けていた激しい非難・暴動・・・。
おそらく中高の歴史の授業で聞いたことはあるであろうが、
ここまでの経緯について小村寿太郎に寄り添う形でものがたりを読んできた読者には、
やりきれない思いだろう。
全体に台詞も少なく、淡々とした描写であるだけに、
「小村を斬首せよ」
という群衆の言葉が一際残酷に響く。
戦いの物語であった。さて、何との戦いだったのだろう?続きを読む投稿日:2014.10.02
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日露戦争の講和会議の物語。
司馬遼太郎の「坂の上の雲」の後日譚ともいえる日露戦争の講和会議にスポットを当てた歴史小説。
互いに弱みを見せたくない日露両国の思惑の中でより多くの譲歩を引き出そうとする日本側とロシア側の駆け引き…がアツい。
日露戦争自体は日本の勝利となっているが、講和会議自体はもはや戦争遂行能力のない日本が大きく譲歩をさせられた結果になっている。それでも決して弱みを見せず最後まで日本に有利な条件を得られるよう奮闘した日本側全権、小村寿太郎が頼もしかった。
講和条約締結後、日本国内で国賊扱いされる小村だがその理不尽さに同情を禁じ得ない。文字通り寿命を削って日本のために奔走した小村をもう少し歴史的に評価して見てもいいはずだと思い知らされる話だった。続きを読む投稿日:2017.06.06
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